更年期になると何が起こるんですか？

HRTで女性ホルモンを補うと閉経直後の50代の女性は血圧が下がるし、コレステロールも下がるし、骨量は減らないし、脱毛は防止されるし、シミそばかすが予防されるしってことになります。閉経から時間がたった60歳ごろだとほとんど効果がなくなってしまい、そのタイミングでHRTをはじめると、逆に動脈硬化促進や血栓症などのリスクが上がります。HRTは、閉経前後から使うのが非常に大事です。

シミそばかすというのは、女性ホルモンで予防されます。50代前半の高血圧とか、あるいは骨量が低下して骨がもろくなったのなんかは、カルシウムとかで治すのではなく、女性ホルモンで治すということを産婦人科医は考えますね。女性ホルモンの効用を考えると、女性ホルモンがなくなっちゃう状態っていうのは女性にとっては重大だよね。

乳がんでも30代などで罹患した人で、治癒していて女性ホルモンの補充が問題ないようであれば使っても良いと思います。

50代〜60代前半ぐらいで、女性ホルモンが少ない状態になってしまうので、閉経直後の高血圧なんかは、エストロゲンを使ったほうがいいんじゃないかと感じます。

ただ、60歳を過ぎるとね、高血圧とか高脂血症はもうエストロゲンでは治らないので、普通の内科的な治療になりますよね。

だから女性って本当に50代（閉経直後）が一番大事だよね。50代で女性ホルモンが急激に減ったときに、うまく女性ホルモンを補ってやると、その後のいろんな内科的な予防にもなるんですね。

だから、更年期ってのは女性ホルモンが激減して、いろんな症状が出るんですけど、そのときに女性ホルモンが減らないようにうまく対処しておくと、その後の60代70代のいわゆる内科、泌尿器科、整形外科などの病気が予防されるんですよね。

エストロゲンが、全身における作用があるんだっていうことを考えると、女性は女性ホルモンについてもっと知識をたくさん持つ必要は絶対ありますよね。

明治時代頃は、平均寿命が45歳ぐらいでしょ？今は、その後に30年〜40年ぐらい生きるから、老年期のいろんな問題がたくさん出てきますよね。

長く生きれるようになったので、閉経後の女性の健康というのは本当に今注目されてますよね。