監修 金山尚裕医師 について

金山尚裕医師

金山先生はなぜ産婦人科になられたのですか?

興味のきっかけは、学生の頃に、1個の受精卵が10ヶ月で、3キロの子供になるっていうこと、なぜ陣痛が起こるのか、胎盤がなぜ拒絶されないかの3点が不思議だったんですね

生殖とか生命の誕生というのは不思議で、神秘的なことが多いじゃないですか?命を繋ぐっていうことの神秘性っていうのを強く感じ興味を惹かれましたね。元々うちの父親が大学の教授で研究者だったんで、研究心を刺激するような、生殖減少や分娩現象に強く関心を持って解明したいなというのがきっかけでしたね。

産婦人科は男女の一生に寄り添う科

また、産婦人科になってからは、産婦人科というのは、内科外科全ての領域に関わり、診療範囲が広く、そして、胎児期から老年期までみれるというところに興味を掻き立てられました。
また、男性にも不妊症がありますから、男性を診ることもあり、かなり幅が広いですよね。

女性に関しては胎児、新生児期、思春期、それから20代30代以降年位、老年ですべてみますからね。女性のライフステージ全般を見ることができるっていうのは、面白いところですよね。

生理的な炎症反応は医学的にも面白い

医学的な観点で言えば、女性ホルモンも面白いですね。女性ホルモンが減ると骨が悪くなったり、不安が増加したり様々な事が起こります。また、分娩や排卵の仕組みというのも面白いんです。

分娩や排卵というのは炎症反応なんです。炎症というのは普通は病気なんですけど、病気じゃない炎症というのは、主に分娩と排卵です。炎症というと、コロナウイルスにかかって起こるのも炎症ですし、肺炎、膀胱炎、虫垂炎などたくさんあります。

陣痛の痛みも炎症反応の痛みなんですね。生殖においては、生理的な炎症反応が起こるというのが非常に興味深いところですね。生理的な炎症反応というのは、医者になってからわかったことですが、今ではそれの研究がライフワークのようになっています。

女性の長生きの理由に生理的炎症反応があるんじゃないかと思っています。毎月排卵が起きているというのは、軽い炎症反応によって細胞に刺激が入ります。月一回、細胞に刺激が入ることで細胞が若返り、結果的に女性の長生きにつながっているんじゃないかと考えています。男性にはそのような生理的な炎症反応はないですね。

プレコンが必要な若い世代にメッセージ

妊娠の成立に何が必要か、妊娠したらどのような経過をたどるのか、妊娠中にどんな病気あるのか、分娩はどのように進行するのか、分娩にはどのような病気があるのか等について知識のない方が多いです。

例えば、「生理不順は病気です。」ということを知らない方が沢山います。性教育ではなく生殖教育(不妊、妊娠に関する知識)が日本では欠けています。本ホームページで生殖に関する知識を少しでも増やして頂ければ幸いです。

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