子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は男性は打たなくてもいいんですか?

小野寺沙恵
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は男性は打たなくてもいいんですか?
金山先生
子宮頸がんワクチンは男性も打ったほうがいいです。オーラルセックスでがんになる場合があります。

アメリカ、イギリスを筆頭に欧米諸国やニュージーランド、オーストラリアでは打っています

まず、子宮頸がんに関しては、40歳以下の女性が最もかかりやすいがんが子宮頸がんです。ただ、がんでもワクチンで8割ぐらい予防できて、検診と組み合わせるとほとんど予防できるのが子宮頸がんです。それなのに、ワクチンを打たないで毎年3000人弱の人がなくなり、1万人以上が子宮を摘出しています。海外では、年々子宮頸がん患者は減っているのに、日本だけ増えているんです。

さすがにあまりにもひどいので、WHOが「日本もHPVワクチンを推奨しなさい」と言われ、ようやく2022年の4月から、ワクチンの接種が再開します。

次に、子宮頸がんの原因であるHPVですが、これは中咽頭がんの原因にもなっています。中咽頭癌は年間8000人前後の人がなくなっており、中咽頭がんも年々患者数が増えています。

主な原因はオーラルセックスと考えられ、男性も女性もどちらもかかるがんで、性器に溜まったHPVをなめてしまって感染します。女性の場合は恥垢に、男性の場合は仮性包茎などで中に溜まっています。だから、女性だけじゃなくて男性もHPVワクチンを打ったほうがいいです。

子宮頸がんの死亡者数

◎子宮頸がん死亡者数
※国立がん研究センター 2019年 子宮頚部 死亡者数

世界のHPVワクチン接種

WHOとユニセフによる各国のHPV予防接種率
HPV vaccination introduction worldwide and WHO and UNICEF estimates of national HPV immunization coverage 2010–2019

アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツなど欧米諸国では男性の接種も進んでいる。国によって様々だが、9歳から摂取している国もあり、各国の目標では12歳からの摂取を目標に接種を行っている。黄色が男性の摂取が行われ始めた年。

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